前回の「ハゼクラの釣り場(ポイント)の選び方」に続いて、今回は「ハゼクラに適したタックル選び」に関する内容です。
ハゼの生息域や習性の基本を押さえた上で道具の説明をした方が、ハゼクラの成功率は高まります。
簡単で手軽なスタイルが売りのハゼクラですが、右も左も知らずにルアーを投げれば簡単に釣れるほど甘くはないのが現実です。
ハゼクラに限ったことではなく、残念ながら全ての釣りは思ったよりハードルが高いんですよね…。
ハゼとクランクベイトを合わせてハゼクラと呼ぶ
とりあえず本題にまず使用するルアーの話から。
ハゼクラはプラグというジャンルのクランクベイトという種類のルアーを使用するのがメインスタイルです。
ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ハゼクラの言葉の由来は
ハゼとクランクベイトを合わせてハゼクラと呼ばれております。
ハゼとクラピー(ラッキークラフトの製品)を合わせた語呂から実はハゼクラという言葉が派生しています。
基本のルアーはクラピーをベース
使用するクランクベイトの基本はラッキークラフトのクラピーです。
その中でもハゼ用にチューニングしたハゼクラピーやマイクロハゼクラピーという商品が代表的です。
今回はクラピーを基に解説していきたいと思います。
そもそもクラピーというものはエリアトラウトで使用される4g前後の小型クランクベイトです。エリアトラウトで求められるルアーの特徴として、ルアーの安定性が強く求められます。
直進性、アクション、泳ぎだし 品質、これらのほかにも細かい点はありますが、すべてにおいて安定性が必要になります。
そもそも管理釣り場のメインターゲットはニジマスです。
このニジマスという魚は一定のリズムを好む魚で、エリア界で親しまれる定番になっているクラピーは、安定性にずば抜けて特化しているプラグです。
特にこの中でもアクションの安定がハゼにも的確に効果がありました。
そもそもそのノーマルのクラピーでもハゼクラテストの際は、十分な釣果もたたき出していたのですが、あれこれ試す中で、ラトルを挿入したモデルが異常な反応をとらえました。
ラトルの材質、大きさ、数、いろいろなパターンを試し、最もテスト結果が伴ったモデルがハゼクラピーとして誕生いたしました。
カラーに関しても、各地の餌釣りの情報や、もともとエリアクラピー自体色数は莫大にあるので、その中でも反応の良いカラーをセレクトしていき、ファーストリリースに至ったというわけです。
アシストフックで釣果が変わる
もう一つ大事なアイテムとしてハゼクラアシストというフックが存在します。
現行のハゼクラピーには標準装備なのですが、このアシストフックの発見も、ハゼクラが身近になった要因の一つかと思います。
ハゼクラアシストフックは餌釣りで使用する袖針をベースに作成した、簡単装着のフックです。
ハゼの性質でも説明いたしましたが、
ハゼは餌を取り込むときや、相手を威嚇する時に口を大きく開けて周りの水や砂なども一気に取り込みます。
ハゼのテリトリーに侵入したクランクベイトを大きな口で威嚇した際に、極力軽量に作成したアシストフックも、一緒に口に吸い込んでしまうというメカニズムになります。
万が一底に引っかかってしまった際も、袖針が伸びてくれるのでルアーは回収しやすくなるメリットもあります。
ラインはPEが基本
ラインに関しては普段釣り慣れている方はPEラインにリーダーを組むのが飛距離も稼げて、多少ルアーの深度も取りやすくなるメリットはあります。
標準はPE0.6号にリーダーは1.2号位がルアー回収のことを考えると良いかと思います。
あまりPEラインに慣れていない方もナイロンラインの5lb前後でも十分に楽しむことが出来ます。
バスでよく使用するフロロカーボンでも良いですが、ナイロンやPEラインは水に対して、比重が軽いのでクランクベイトの結び目より上方向にラインが存在しやすくなります。
フロロカーボンは水より比重が重いのでクランクベイトの結び目より下方向に行きやすくなり、障害物が多い水域だと、ルアーがコンタクトする前に石や貝殻の角にラインが挟まりやすく、トラブルの誘発に繋がる可能性があります。
些細なことですがラインも釣りによる特性で使い分けると、大きく釣果に繋がることは多々あります。
リールは2000番クラス
リールに関しては小型のスピニングリール(1500~2500番クラス)がおススメです。
もちろんスタイルを楽しむのであればベイトフィネスのベイトタックルでも良いかと思います。
ロッド選びの重要度
ロッドに関してですが、
やはりここが一番お問い合わせや皆様の疑問が多いところでした。
まずご自身が所有している、4g程度が扱えるスピニングロッドであれば十分釣りには参加出来ると思いますし、それで十分かと思います。
ハゼクラでハゼを釣られた方はお気づきかと思いますが、ハゼのアタックのアタリは結構強烈です。
しかしリールのドラグを使用したりして、そこまでやり取りがものすごく大事な釣りでもないです。
この釣りで一番大事なのは水中の感知能力かと思います。
釣り業界的には感度重視のロッドが良いという言い方もありますが、感度はバランスです。
先ほどにも書きましたが使用するルアーは4g程度のクランクベイトです。
4gを扱えればもちろん成立します。エリアトラウトで使用するロッドでももちろん良いです。
エリアの釣りはほとんどが中層の攻略です。
エリアトラウトロッドも中層の感知能力を求められているロッドです。
ではハゼクラロッドには何を求めたいのか
この先はちょっとコアすぎる内容になってしましますが、ハゼクラの奥深さがこんな道具作っちゃいました的な内容になりますが…
ハゼクラロッドに求めるもの
ハゼクラロッドに何を求めるか
1 ボトム感知能力
2 操作のしやすさ(投げる 巻く)
3 水中のルアーの把握
4 ハゼのバイトへの対応
これらを網羅したハゼクラロッドは存在しませんでした。
そんな経緯の中、妥協なしでJustaceブランドLight Bringerというハゼクラ専用ロッドを作成したわけです。
1,ボトム感知能力
ルアーを投げ続けるのには、魚を釣るためではなく、場所を探すもしくは水流の変化など見つけるためのサーチする役割もあります。これらの情報を投げ続けることにより収集していき、ハゼの好む条件下を探していきます。
2 操作のしやすさ
クラピー4gといえど、かなり軽い分類のウエイトになります。軽いルアーを自分の意志通りにキャストし、なるべく遠くに飛ばすのもバランスを考慮したブランクス選びやセッティングを詰めて行く必要がありました。
3 水中ルアーの把握
ロッドだけでこのバランスは完成しないのですが、ラインの特性などを合わせていくと、クラピーが細かく左右にアクションしている様子が手に伝わるようになります。そのアクションの中の違和感などが、先ほどの水中のよれやハゼが近づいている様子などをいち早く感じとる事により釣果に結び付けていけます。
4 ハゼバイトに対応
ハゼクラのアタリはかなり強烈で明確です。威嚇も伴うのでフックアタックが100%ではありませんが、針へのアタリは出来る限り取って行きたいのがこちらの要望です。
ボトム感知に特化するバランスですと、弾かれるばかりでミスが多くなり、食い込み重視にすると他がぼやけてしまいハゼクラロッドでなくても良いものがたくさんあります。Light Bringerはこのバランスを追求したロッドに仕上げました。
ハゼクラという釣りのスタイルも誕生から10年近く経過いたしました。
まだまだたくさんの方々からの質問も多く、これからチャレンジしてみたい方もたくさいらっしゃると思います。
このコラムが少しでも皆様のお役に立てれば良いかと思います。
ハゼクラ入門1「ハゼはクランクで何故釣れる?」
ハゼクラ入門2「ハゼクラの釣り場(ポイント)の選び方」
ファイブコア 鈴木